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朝礼で話したくなる人材育成1分間コラム「平等な役割分担」

小学校で特別支援学級の教諭をしている友人から聞いた話です。

 

給食の片付け時に
グループごとにお皿などを集めて
片付けることになっています。


その役割分担についてはそれぞれのグループで違います。


ジャンケンで決めたり
どれをやりたいと話し合ったり
早いもの勝ちだったり
クラスによってはひとりひとり片付けたり


つまり、やり方は決まっていないということです。


役割分担の場合、一番人気のないのは牛乳パック


理由は手が汚れたり
作業が多かったり面倒だからです。


給食のときは特別支援学級の児童も
普通学級の生徒たちと食べているのですが
なぜか毎回、牛乳パックの作業を
特別支援学級のAさんが担当しているのです。


児童たちにどうしていつもAさんが牛乳パックの担当をしているの?
と、聞いてみたところ
 

ぼくたちは平等にジャンケンで決めています。
と、返答があったのだとか。


じゃあ、なんで、いつもAさんが負けているの?
と、更に聞いてみると
 

Aさんはジャンケンで毎回同じ手を出すそうです。
だから周りは、それに勝つ手を出せばいいことを知っていたというのです。


Aさんが違う手を出せばいいだけです。
出さない方が悪いんです。
牛乳パックはみんな嫌なんで、
ぼくたちも必死に勝とうとしているだけです。


と。


毎回負けることが分かっていてそうするのは、
本当にそのジャンケンは平等かな?
それって、嫌なことをAさんに押し付けているだけじゃないかな?


私の友人は、児童たちに
自分たちの行動が
“平等”を装った“押しつけ”であることに
気づいてもらい、
少し自分の行動を
省みて欲しかったので
そのように質問を投げかけたのですが


その後は、
そんな風に叱られるのは不満だ!
の嵐だったのだとか。


友人は、
自分のことを振り返ることにつながらない児童たちへの質問の投げかけ方が
悪かったんだろうなと
とても反省していました。


児童たちは成長の段階の中で、
大人への反抗心や自我の芽生えの中で
表面的な正論を振りかざして
自分を守ろうとしたのかもしれません。

いつの日か、なぜ先生は
この質問をしたのかを素直に受け止めて
本当に大切にしなければならないことは何なのか
本質が捉えられる大人になってほしいと願わずにいられません。


ちなみに友人はそのあと
Aさんとジャンケンの練習を数時間かけて行ったということです。

 

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